光学顕微鏡・電子顕微鏡観察用組織の固定法

試薬(Final concentration):
3% Paraformaldehyde 架橋能力が高くないが、低分子で浸透性が良いので、迅速な固定のために併用されることが多い。
(一般のホルマリン溶液では、安定剤にメタノールが入っているので×。パラホルム粉末(電子顕微鏡用)から調整するか、電子顕微鏡用に市販されているものを購入する。)

2.5% Glutaraledhyde アルデヒド基を分子の両端に持ち、タンパク質を架橋する能力が高いので電子顕微鏡レベルでの構造保持には大変有用。
(25% 溶液10 ml入りのアンプルを購入して、固定する直前に開封。開封してから日数が経つと固定力が弱まる。)

0.1 M Cacodylate buffer (pH7.4)
(Sodium Cacodylate TrihydrateをHClでpH調整するかWAKOよりCacodylate solution を購入。)

Preparation用溶液 (mM):
142 NaCl, 5 KCl, 2.5 CaCl2, 2 MgCl2, 10 HEPES, 10 glucose (pH7.4 with NaoH)

上記の固定液で固定をすれば、駒崎先生が光学顕微鏡・電子顕微鏡のいずれでも観察して下さる。電子顕微鏡用に作成した標本をエポン樹脂切片、トルイジンブルー染色して光学顕微鏡観察する。

1. 出産前のマウスあるいは、出産直後のマウスを開腹し、気管〜腸管(大動脈、心臓、肺、横隔膜、肝臓、胃、腎臓)までを一気に切り出す。

2.よく氷冷したRinger solutionに取り出した組織を 入れ、血を洗う。

3. 30 mlの固定液を入れたバイアル瓶orファルコ ンチューブに取り出した組織を入れ、大きな組 織(心臓、肝臓)には適当に割断を入れ、固定液 を浸透させやすくする。

4. 2時間程、室温で振盪させる。

5. 固定した組織は室温で保存可能(1ヶ月は可 能)。


骨格筋組織を固定する場合、足を1本切り取って皮膚をはいでからハサミで筋組織に何箇所か切り込みを入れて固定液に入れる。

出産直後のマウスであれば上記のような組織の取り出し方で可能だが、adultでは組織が大きくなるので、1つ1つの組織を取り出し、切り込みを入れて固定液に入れる。

 



 
Copyrightc KYOTO UNIVERSITY All Rights Reserved.