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リアノジン受容体
リアノジン受容体の命名は、植物より単離されたアルカロイドであるリアノジンが結合するタンパク質であることに由来しています。リアノジン受容体は小胞体上のCa2+放出チャネルとして、細胞膜上のCa2+チャネルと連動して開口します。
哺乳動物の興奮性細胞では3種類のリアノジン受容体サブタイプ遺伝子が独自の組織特異性を有して分布し、そのCa2+放出は骨格筋や心筋の収縮や平滑筋や神経細胞の膜興奮調節に必須であることが我々などの研究から明らかにされています。 また、リアノジン受容体遺伝子の点変異がヒト遺伝病である悪性高熱症や家族性頻脈の原因であることも解明されており、骨格筋リアノジン受容体の阻害作用を示すダントロレンは悪性高熱症の治療に用いられています。
写真は骨格筋に発現するリアノジン受容体(RyR1)を欠損するマウス新生児です。RyR1は骨格筋収縮を引き起こすCa2+を供給するチャネルであり、その欠損により全身の骨格筋が働かなくなります。骨格筋である横隔膜も不全となりますので、この変異マウスは正常な胎生期発生を示しますが、生後身動きすることなく呼吸不全により致死となります。

主要論文発表:
1. Takeshima, H. et al. Excitation-contraction uncoupling and muscular degeneration in mice lacking functional skeletal muscle ryanodine-receptor gene. Nature 369, 556-559, 1994.
2. Takeshima, H. et al. Embryonic lethality and abnormal cardiac myocytes in mice lacking ryanodine receptor type 2. EMBO J. 17, 3309-3316, 1998.
3. Takeshima H. Intracellular Ca2+ store in embryonic cardiac myocytes. Front. Biosci.7, d1642-1652, 2002.
4. Kato, K. et al. Molecular characterization of flubendiamide sensitivity in lepidopterous ryanodine receptor. Biochemistry 48, 10342-10352, 2009.

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