糖尿病の超早期・予防診断のための分子プローブの開発

Glucagon-like peptide-1(GLP-1)受容体を標的とした分子プローブの開発

本研究の目的は、糖尿病の超早期・予防診断を目指して、膵島β細胞に特異的・選択的に集積するPET/SPECT用分子イメージングプローブを設計・創生し、それを用いて膵島β細胞数を体外から非侵襲的に定量イメージングする方法を構築することである。

最近、インスリン分泌を担う膵島β細胞が糖尿病発症前から減少することが報告されたことから、膵島β細胞数の非侵襲的定量を可能とする分子イメージング法の開発は、超早期段階でのβ細胞数減少を検出して糖尿病発症前の予防的介入を可能にするのみならず、糖尿病発症過程の病態解明やβ細胞を標的とした糖尿病治療薬開発にも貢献し得ることから、それによってもたらされる成果は非常に意義深いものとなる(下図)。

本研究では特に、膵β細胞に発現しておりインスリン分泌に関与しているGlucagon-like peptide-1(GLP-1)受容体に着目し、そのペプチド性リガンドであるExendinを母体としたPET/SPECT用分子イメージングプローブ開発を進めている。

Diabetes

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関連論文

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  • Synthesis and Biological Evaluation of an 111In-Labeled Exendin-4 Derivative as a SPECT probe for Imaging of Pancreatic β-cells.
    Bioorg. Med. Chem., 25 5772-5778 (2017).
  • GLP-1 receptor antagonist as a potential probe for pancreatic -cell imaging.
    Biochemical and Biophysical Research Communications. 389 523-526 (2009).

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