モルヒネ禁断時の負の情動反応と扁桃体

 モルヒネ禁断(退薬)時には非常に不快な精神症状を伴った禁断症状が発現しますが、このメカニズムには、情動反応に非常に深い関わりをもつ扁桃体中心核と呼ばれる部位が中心的な役割を果たし、さらに、その扁桃体中心核を中心とした様々な神経ネットワークが働いていることを明らかにしました。


扁桃体中心核を限局的損傷させることによりモルヒネ禁断場所嫌悪反応が減弱

 Brain Res., 958, 423-428 (2002)

扁桃体中心核にグルタミン酸受容体拮抗薬を微量投与することによりモルヒネ禁断場所嫌悪反応が減弱

 Jpn. J. Pharmacol., 88, 399-406 (2002)

扁桃体中心核において、モルヒネ禁断時にノルアドレナリン遊離が促進され、またβ-アドレナリン受容体拮抗薬によりモルヒネ禁断場所嫌悪反応が減弱

 Psychopharmacology, 170, 80-88 (2003)

扁桃体中心核から分界条床核へ投射する神経の活性化がモルヒネ禁断場所嫌悪反応に寄与

 Neuroscience,134, 9-19(2005)

Copyright (C) 2004 Takayuki Nakagawa, Ph.D., Kyoto University