ごあいさつ

 

 第34回生体膜と薬物の相互作用シンポジウムを、

平成24年11月15日(木)、16日(金)に京都大学

薬学部で開催することになりました。

 

 生体膜と薬物の相互作用シンポジウムは、物理

化学がご専門の北海道大学薬学部の故・小畠陽之 

助教授と京都大学薬学部の故・中垣正幸教授が

中心となって組織され、第1回(昭和51年)が

北大で、第2回(昭和53年)が京大で開催されま

した。当時は生体膜研究の黎明期であり、生体膜

に関する物理化学的研究が中心でした。その後、

細胞生物学・分子生物学の発展とともに生体膜

研究は大きく発展し、また、薬剤学・薬物動態学の研究者も参入して、今では生命現象の解明・創薬の基礎から臨床までを カバーするユニークなシンポジウムとして、発展 しています。第2回シンポジウムのころは私は まだ大学に入ったばかりでしたが、今回シンポジウム のお世話をさせて頂くこととなり、中垣先生の門下生 のひとりとして、時の流れを感じざるを得ません。

 

 さて今回のシンポジウムでは、特別講演に京大・物質-細胞統合システム拠点の楠見明弘先生をお招きしました。先生は、一分子計測を駆使してコンパートメント化された細胞膜という新概念を提唱されており、すべての参加者にとって興味あるお話しを伺えるものと思います。また、物理・生物系ミニシンポジウムとして「分子構造から見る生体膜と薬物の相互作用」を、薬剤・医療系ミニシンポジウムとして「生体膜透過制御に基づいたドラッグデリバリー」を企画致しました。一般講演も以前の方式に立ち返り、まとまった研究内容をじっくり討論するA講演と最新のトピックスや若手による研究成果を発表するB講演を設けました。多くの研究者に参加頂き、活発な討論をお願い致します。

 

 京都でのシンポジウムの開催は平成17年(実行委員長・乾賢一先生)以来7年ぶりとなります。まだ紅葉には少し早いですが、学問のみならず京都の文化も満喫され、有意義な時間をお過ごし下さい。多数のご参加をお願い致します。

 

                第34回生体膜と薬物の相互作用シンポジウム
                実行委員長 松崎 勝巳
                京都大学大学院・薬学研究科