「第5回食品薬学シンポジウム」の開催にあたって

本シンポジウムは、機能性食品・健康食品の有効性の解析と新しい天然薬物の開発を目指したシンポジウムで、平成11年に「疾病予防と薬用食品」をキーワードに第1回が開催された「くすりと食物シンポジウム」がその前身です。そして、平成18年4月に日本薬学会に生薬天然物部会が新設されたのに伴い、一般講演を併設する等、その内容を一新し、部会主催シンポジウム「食品薬学シンポジウム」として再出発し、同じく部会主催シンポジウムである「天然薬物の開発と応用シンポジウム」と交互に開催されております。この度、実行委員会の先生方をはじめとして多くの方々にご尽力を賜り、「第5回食品薬学シンポジウム」を京都大学で開催できる運びとなりました。

豊かな社会そして高齢化社会を迎えた昨今、健康に関する国民の関心は日々増大しております。健康の自己管理の重要性と必要性が広く認識されるに伴い、機能性食品・健康食品・天然素材などに関心が強まり、これら食品素材・天然素材の機能性、安全性に関する科学的な取り組みが医療・健康科学の分野において重要性を増していることは論を待ちません。このような背景から、食品素材の機能性と天然薬物全般等に関する研究・開発において第一線で活躍している方々が一堂に会し、その研究成果の発表および現状と将来について討議を重ねる本シンポジウムの開催は、食品素材・天然素材の安全・安心を考える上でも非常に意義深いものと考えております。

特別講演、企画シンポジウムに加えて、食品素材・天然素材に関する一般講演(討論主題:1. 疾病予防と薬用食品, 2. 機能性食品の科学, 3. 食・薬の安全性, 4. 天然物薬学全般)を企画致しました。本シンポジウムが、食品薬学分野・天然物薬学分野研究の一層の活性化の一助となることを期待しています。

 どうぞ、奮ってご参加いただき、秋の京都をご満悦頂ければ幸甚です。

平成25年9月

第5回食品薬学シンポジウム・実行委員長
京都大学大学院薬学研究科・教授 掛谷秀昭