この試験は、無害なガラス玉を床敷きで覆い隠そうとするマウスの行動が、不合理と認識しつつ繰り返される強迫性障害患者の脅迫行為と見かけ上類似していることから、強迫性障害に関連した不安様行動試験として認知されつつある試験である。
測定方法
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不透明なケージ(約35 cm ´ 30 cm)を用いて、約5cmの深さで床敷きを敷き詰める。
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マウスを慣れさせるために20分間、ケージ内に入れる。(臭いを床敷きにつけさせ、環境に慣れさせるため)
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その後、床敷き上に15個のガラス玉を均等に配し30分間自由に探索させる。(ガラス玉が床敷きに埋もれないように、床敷きを上から押し固めてからガラス玉を置くこと。)
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30分後、真上から観察した時、2/3以上床敷きが覆いかぶさっているガラス玉の数(number of buried marbles)を数える。
評価方法
試行後に覆いかぶさっているガラス玉の数が多いほど、不安様行動が亢進しているとされる。しかし、行動量が亢進したマウスがより多くのガラス玉を覆い隠したとしても、不安様行動が亢進していることにはならない等、行動量との関係に注意が必要であるが、繰り返し測定しても慣れが生じないことが確認されている(Pharmacol.
Biochem. Behav., 38、63-67、1991)ことから有用な試験である。
参考文献 Pharmacol. Biochem. Behav., 38、63-67 (1991)
Behav. Brain Res., 154, 457-463 (2004)
Behav. Brain Res., 157, 299-308 (2005)
日薬理誌, 126, 94-98 (2005)
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