海馬神経初代分散培養法

Culture Medium :
 50 ml Neurobasal Medium
 1 x B-27 supplement
 0.5 mM glutamine
 1/200 penicillin-streptomycin

Dish Coating :

  1. laminin(5 μg/ml)、poly-D-lysine(50 μg/ml)でコーティングを行い、37℃で一晩インキュベートする。
  2. ディッシュを滅菌水により3回洗浄し、4-7時間程度インキュベートする。
    (乾燥しすぎはダメ。乾燥後は冷蔵庫にて1-2週間保存可能)
    (ガラス製の場合は1N NaOH→Milli Q→1N HCl→MilliQ→75% EtOH→100% EtOHの順で洗浄してからコーティングを行う。)

Papain Solution(pH 7.4):
10-15 units/ml papain
0.45 mg/ml L-cystein hydrochrolide
0.01 % DNaseI         in PBS

Neurobasal Medium
glutamine
B-27
laminin
poly-D-lysine
DNaseI
papain
L-cystein hydrochrolide
Ara-C
GIBCO(21103-049)
GIBCO(21051-024)
GIBCO(17504-044)
BD(354232)
BD(354210)
Wako
Worthington(37A9379)
SIGMA(C7880-100G)
SIGMA(C5545-5G)
Preparation protocol :
1) 直前にL-cystein hydrochrolideを4.5 mg/10 ml(pH 7.4)に調整し(調整前はpH 6.7くらい。9μl(4 N NaOH)/10mlで調整するとよい。)、papainを15 units/mlで加える
2) パパイン溶液を37℃、5分で溶解後、フィルター滅菌を行い使用するまで氷上で保存。
3) 当日生まれた新生児に75% EtOHを吹きかけ消毒し、海馬をice cold PBS中で取り出す。
4) 取り出した海馬はice cold PBSが入った15 mlチューブへ。
5) 全ての海馬を取り出した後、ice cold PBSで上清をピペットで捨て、新たなice cold PBSを加える。この操作を3回程度行う。(Wash)
6) 以下の操作は、室温でよい。
7) パパイン溶液へ海馬を入れ、37℃で15-30分間インキュベートする。
8) このインキュベート中にパスツールピペットの先端をバーナーで焼き、穴を小さくしたものを作製する。(穴の大きさは、大きめと小さめの2種類を作製)
9) インキュベート終了後、PBS中へ海馬を入れ3)の操作を同様に行う。(Wash)

10)

メディウムの入った15 mlチューブへ海馬を入れ、まず大きめの穴でできたパスツールで懸濁を行い、ある程度細胞をバラバラにする。その後、小さめのパスツールで更なる懸濁を行い細胞を単離する。
11) 細胞数を計数し、目的に応じた濃度に希釈する。
12) 330 μl 程度の量で播種しディッシュに細胞を接着させる(24 well dish)。
13) 2-3時間後、500 μl のメディウムを加える。
14) 2-3日後、終濃度5-10 μM となるようにAra-Cを加える。
15) 様子を観察しながら5-7日程度毎にメディウムを半分量ずつ置換する。

Notice:
    • やさしく素早く行うことが重要。
      (生後24時間以内であれば特に問題はないと思われるが、胎生時に行うのが望ましい)

    Ref.:
    Free Radical Biology & Medicine, 28, 5, 665-672 (2000)
    J. Neurosci Res., 71, 811-818 (2003)
    J. Neurosci. Meth., 149, 110-120 (2005)
    日薬理誌, 119, 163-166 (2002)
    実験医学, 20, 15 (10月号, 2002)
    脳・神経研究の進め方, 羊土社, 53-58

    MAP2(神経細胞特異的マーカー)による免疫染色(培養18日後)


 
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