生体分子認識学分野

Western blot protocol

ＰＤＦファイル

1,電気泳動

下記の組成の通りにゲルを作製する。
まず、Separating Gelを作製する
TEMED以外の組成を混合し、最後にTEMEDを入れ軽く混ぜた後、セットしておいた泳動板へと流し込み、その上に75％　EtOH を上乗せすることでゲルが空気に接しないようにして静置する。（動かさないこと）
約10-15分後Separating Gelが固まったらEtOHを注射器により除く。
次いで、Stacking Gelを作製する。
Separating Gelと同様の方法でゲルを作製した後、Separating Gelの上にややあふれる程度に流し込む。
この時、泡が浮いていれば注射器により取り除いた後、コームを指し込む。（曲がらないように注意）
余分なゲルをキムワイプ等で吸い取った後、30分ほど静置する。（動かさない）
ゲルが固まったら、泳動装置にゲル板を設置し、泳動バッファーを満たす。
コームを抜いた後、ゴミがウエルに残存することがあるので、注射器により空気を噴射することで取り除く。さらに、泳動板の下に空気があれば注射器により抜くこと。
サンプルをマーカーが一番左になるように各ウエルにアプライする。（左右の端はスマイリングにより曲がることがあるため、余裕があれば流さない）
泳動を開始する。ゲル1枚あたり30-35 mA で泳動するが、Separating Gelに入ってしばらくたってからは、1枚あたり60-70 mA へ上げる。（constant current）
Loading dyeが流れきる直前で、泳動を止める。

2,転写

あらかじめ冷しておいた転写バッファーに転写板（黒）、スポンジ（x2）、濾紙の順で重ね合わせる。（転写バッファーは濾紙まで完全に浸るまで満たす）
また同時に、メンブレンをメタノールに1-2分間浸し振騰させた後、転写バッファーに浸し揺らしておく
濾紙の上にゲルをマーカーが右になるように置き、その上にメンブレンを重ねる。（この時、ゲルとメンブレンとの間に空気が入らないように注意が必要）
さらに濾紙、スポンジ（x 2-3）、転写板（赤）の順で重ね合わせ、転写装置へセットする。（氷をつめた上で氷水を流し込み極力冷す）
冷蔵庫中にて転写を開始する。ゲルの枚数に関係なく 18 v でO.N.行う。　　（constant voltage）

3,転写後

転写終了後、赤色の転写板を下にしてメンブレンを取り出す。（この時できるだけメンブレンを小さく切ってしまうとよい）
あらかじめ作製しておいた 5％ FCS溶液にて30分以上振騰する。
余分なスキムミルクを落とすため、PBSにより5-10分間振騰する。
1次抗体希釈液によりメンブレンを浸し、４℃で1時間振騰する。
PBSにより洗浄を行う。（少なくとも 5 min x 3）
2次抗体希釈液によりメンブレンを浸し、室温で1-2時間浸透する。
PBSにより洗浄を行う。（少なくとも 5 min x 3）
洗浄後、サランラップの上にメンブレンを並べその上にECL液を2種類等量ずつたらし1-2分間浸す
フィルム上にメンブレンを並べ、サランラップにより包装した後、暗室にて感光、現像を行う。

各種バッファー

Separating Gel
6%	15 ml（２枚）
H2O 30% acrylamide mix 1.0 M Tris（pH 8.8） 10% SDS 30% ammoniμm persμlfate（APS） TEMED	6 ml 3 ml 5.7 ml（950 μl x 6) 150 μl 50 μl 12 μl
8%	15 ml（２枚）
H2O 30% acrylamide mix 1.0 M Tris（pH 8.8） 10% SDS 30% ammoniμm persμlfate（APS） TEMED	5 ml 4 ml 5.7 ml（950 μl x 6) 150 μl 50 μl 9 μl
10%	15 ml（２枚）
H2O 30% acrylamide mix 1.0 M Tris（pH 8.8） 10% SDS 30% ammoniμm persμlfate（APS） TEMED	4.1 ml（820 μl x 5） 5 ml 5.7 ml（950 μl x 6) 150 μl 50 μl 6 μl
12%	15 ml（２枚）
H2O 30% acrylamide mix 1.0 M Tris（pH 8.8） 10% SDS 30% ammoniμm persμlfate（APS） TEMED	4.9 ml（980 μl x 5） 6 ml 5.7 ml（950 μl x 6) 150 μl 50 μl 6 μl

Stacking Gel
5%	6 ml（2枚）
H2O 30% acrylamide mix 1.0 M Tris（pH 6.8） 10% SDS 30% ammonium persulfate（APS） TEMED	4.1 ml（820 ml x 5） 1 ml 750 μl 60 μl 20 μl 6 μl

Rμnning Bμff.	final	x 10（3L）
Tris Glycine SDS	25 mM 192 mM 0.1%	90.9 g 432 g 30 g

Transfer Bμff.	final	x10（3L）
Tris Glycine	25 mM 192 mM	90.9 g 432.4 g