真核生物の一生は、1個の受精卵から始まり様々な増殖・分化・細胞死決定因子による厳密な制御のもとに「生・死・分化」が決定されています。 この厳密な調節機構に破綻が生じると、癌、感染症、心疾患、神経変性疾患、免疫疾患、糖尿病などをはじめとした様々な多因子疾患につながると考えられています。
個体の構成単位である細胞の「生・死・分化」の調節機構の全貌を解明することは、生命科学にとって究極の課題とも考えられます。 そのためのアプローチとして、生理活性小分子(制御分子)を利用したケミカルバイオロジー的・ケミカルゲノミクス的アプローチは、分子遺伝学的アプローチと補完しあうことで非常に強力かつ有意義なアプローチとなりうります。 ケミカルバイオロジー的アプローチならびにケミカルゲノミクス的アプローチの成功は、標的蛋白質に作用する生理活性小分子の開拓に大きく依存しています。
システムケモセラピー・制御分子学分野においては、天然物化学・天然物薬学ならびにメディシナルケミストリーを機軸として、 フォワードケミカルジェネティクスおよびリバースケミカルジェネティクスの双方向からの新規生理活性小分子の開拓研究を行い、 それらを利用して細胞の「生・死・分化」の調節機構の解明研究に取組み、ケモインフォマティクス・バイオインフォマティクスを活用した独創性の高い先端的ケミカルバイオロジー研究・ケミカルゲノミクス研究を展開しています。 これまでに、我々の研究成果を基盤として、複数の新規生理活性小分子が生化学試薬として市販され、創薬基盤研究に貢献しています。
当研究室では、主として3つの研究グループ(ケミカルバイオロジー研究グループ, 天然物化学研究グループ, メディシナルケミストリー研究グループ)を中心にして、最先端ケミカルバイオロジー研究・教育を展開しています。
〜切れ味の鋭い生理活性小分子(新薬)は、新しいサイエンスを切り拓く〜
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