Research

The Effects of 5‐OP‐RU Stereochemistry on Its Stability and MAIT‐MR1 Axis.

微生物代謝物に由来する短寿命化合物である5-(2-oxopropylideneamino)-6-D-ribitylaminouracil(5-OP-RU)は、抗原提示細胞内のmajor histocompatibility complex class I-related protein(MR1)と複合体を形成し、T細胞受容体を介してmucosal-associated invariant T(MAIT)細胞を活性化することが知られています。我々は、MAIT細胞活性化に関わる分子認識機構の詳細な知見を得るため、5-OP-RUの構造活性相関研究を行いました。特に、MAIT細胞活性化に重要とされるリビチル基のキラリティーに着目して、5-OP-RUの全立体異性体を合成し、その化学安定性および種々の活性を網羅的に評価しました。 抗原提示細胞とMAIT細胞のモデル細胞株の共培養系において、各異性体のT細胞活性化能を評価した結果、4’-OHエピマーのみが5-OP-RUと同等の活性を有する一方で、他の立体異性体は全く活性を示さないことを見出しました。さらに、相互作用様式を解析したところ、TCRのTyr95及びMR1のArg94との相互作用がMAIT細胞を活性化する上で特に重要であることを明らかにしました。
ChemBioChem 22(4) 672–678. (2021)

Scaffold hopping of fused piperidine-type NK3 receptor antagonists to reduce environmental impact.

Fezolinetantは、生殖中枢を制御するニューキニン受容体-3に対する拮抗作用を有する薬剤です。治療等に用いられたfezolinetantが環境中に排泄されて他の生物に摂取されると、これらの生物の生殖機能が抑制されて、生態系に影響を与えることが懸念されます。我々は、fezolinetantの中心骨格を自然環境中で分解しうる複素環構造に変換することを目的とした構造活性相関研究を行い、イソキサゾール構造を有する化合物が期待された生物活性および分解特性を有していることを明らかにしました。
Bioorg. Med. Chem. 27(10) 2019–2026. (2019)

Introduction of a Polar Functional Group to the Lipid Tail of 4-epi-Jaspine B Affects Sphingosine Kinase Isoform Selectivity

スフィンゴシンキナーゼ(SphK)は、様々な疾患において重要な役割を担う脂質メディエーターであるスフィンゴシン-1-リン酸(S1P)産生経路の鍵酵素です。SphKは、スフィンゴシンからS1Pへのリン酸化を触媒する酵素であり、哺乳類において2つのアイソフォーム(SphK1, SphK2) が存在します。これらの詳細な生理機能は未解明の部分が多く、その機能解明に向けたアイソフォーム選択的な阻害剤の開発が求められています。我々はSphK阻害剤として、海洋天然物であるスフィンゴシン類縁体jaspine Bに着目し、合成及び構造活性相関(SAR)研究行ってきました。これまでのJaspine Bの構造活性相関研究の結果、jaspine Bの立体異性体である4-epi-jaspine Bが最も高い阻害活性を示すことを明らかにしています。本研究では、jaspine Bの側鎖アルキル鎖部分の構造展開を行いました。様々な官能基を側鎖アルキル鎖部位に導入した誘導体を設計して、阻害活性を評価した結果、エーテル基をアルキル鎖に導入するとSphK2に対する選択的阻害活性を示すことを見出しました。
Chem. Pharm. Bull. 66(9) 866-872. (2018)

Use of a compact tripodaltris(bipyridine) ligand to stabilize a single metal-centered chirality: stereoselective coordination of iron(II) and ruthenium(II) on a semi-rigid hexapeptide macrocycle.

Fe(II)イオンは、非対称型リガンドと錯体を形成すると、Fe(II)中心のキラリティー(Λ型とΔ型)を生じます。我々は、ビピリジン構造を含むα-アミノ酸を3残基含む環状ヘキサペプチドを合成しました。この環状ペプチドはFe(II)と1:1の錯体を形成し、Λ体の金属中心不斉からなる錯体のみが生成しました。各種スペクトル測定および分子動力学シミュレーションにより溶液中のペプチド─Fe(II)錯体の構造を解析したところ、環状ペプチド部分は複数のコンフォメーション間で相互に変化するフレキシブルな状態で存在する一方で、3つのビピリジン部分の相対的な空間配置はほとんど変化せず安定な立体配置の維持に寄与していることが示唆されました。
Inorg. Chem. 57(9) 5475-5485. (2018)

Structure–activity relationship study of cyclic pentapeptide ligands for atypical chemokine receptor 3 (ACKR3).

CXCR7は、免疫細胞の遊走や腫瘍細胞の転移に関与するケモカインSDF-1の受容体の1つです。我々は、以前の研究で見出したCXCR7受容体リガンドFC313の構成アミノ酸に関する構造活性相関研究を行いました。このうち、FC313のL-ProをL-MeNal(1)に変換した誘導体が、強力なCXCR7受容体への結合活性、及び、CXCR7を介するβアレスチン誘導活性を示すことを明らかにしました。
J. Med. Chem. 61(8) 3745-3751. (2018)

Synthesis of jaspine B regioisomers through palladium-catalyzed stereoselective tetrahydrofuran formation: insight into the ligand recognition of sphingosine kinases

スフィンゴシンキナーゼ (SphK)は、がんや炎症など様々な疾患に関与する酵素です。SphKには2つのアイソフォーム (SphK1, SphK2)が存在しますが、それぞれの機能には未解明な部分が多く、アイソフォーム選択的阻害剤の創出が求められています。我々は、これまでにSphK阻害活性を有する天然のスフィンゴシン類縁体であるjaspine Bに着目し、構造活性相関研究を行ってきました。本研究では、jaspine Bに含まれるTHF環上の置換基の位置がSphK阻害活性に及ぼす影響について検討するため、アミノ基と水酸基を入れ替えた位置異性体の合成と活性評価に取り組みました。検討の結果、パラジウム触媒を用いた立体選択的なTHF環構築反応を用いることで、位置異性体の合成経路を確立しました。また、活性評価の結果、位置異性体が天然物と同等の活性を有することを明らかとしました。
Tetrahedron 74(15) 1802–1809. (2018)

Fe(II)-complexation of tripodalhexapeptide ligands with three bidentate triazolylpyridines: induction of metal-centred chirality by peptide macrocyclization.

我々は、Fe(III)配位性天然ペプチドの構造をもとにして、Fe(II)配位性ヘキサペプチドを設計しました。このうち、トリアゾリルピリジン含有アミノ酸を1残基おきに配置した環状および直鎖ヘキサペプチドが高いFe(II)親和性を示すことを明らかにしました。この2つのペプチドは同一のアミノ酸配列からなるものですが、金属中心の立体化学に着目すると反対のキラリティーを示すという興味深い現象を見出しました。
Dalton Trans. 46(40) 13673-13676. (2017)

Identification of selective inhibitors of sphingosine kinases 1 and 2 through a structure–activity relationship study of 4-epi-jaspine B

スフィンゴシンキナーゼ(SphK)はスフィンゴシンのリン酸化を触媒する酵素で、抗がん剤開発における有望な分子標的として注目されています。SphKには2つのアイソフォーム(SphK1, SphK2)が知られていますが、それぞれの機能に未解明な部分が多いため、アイソフォーム選択的な阻害剤の開発が望まれています。我々は、天然から得られたスフィンゴシン類縁体Jaspine Bの極性頭部と疎水性尾部の構造最適化により、SphK2選択的な阻害剤4、両アイソフォームに対して活性を有する阻害剤13、およびSphK1選択的な阻害剤22を見出しました。
Bioorg. Med. Chem. 25(12) 3046-3052. (2017)

Development of novel NK3 receptor antagonists with reduced environmental impact.

NK3受容体は、ゴナドトロピン放出ホルモンの分泌調節に関与するGPCRです。我々は、自然環境中で不活性化する環境調和型NK3受容体拮抗剤の開発を目指して、talnetantの構造活性相関研究を行いました。種々の誘導体のうち、talnetantのヒドロキシ基をメルカプト基に置換した化合物1がtalnetantと同等の生物活性を示し、ジスルフィド2やイソチアゾロン3への空気酸化が自発的に進行することを見出しました。化合物2および3はNK3受容体に対する結合活性を示さず、目的とする自然環境中での不活性化が実現することを確認しました。
Bioorg. Med. Chem. 24(16) 3494-3500. (2016)

Development of novel CXC chemokine receptor 7 (CXCR7) ligands: selectivity switch from CXCR4 antagonists with a cyclic pentapeptide scaffold.

ケモカイン受容体CXCR7は、HIV感染の第二受容体として知られるCXCR4受容体の内因性リガンドであるSDF-1の受容体です。我々は、これまでに見出していたCXCR4受容体拮抗剤FC131をリード化合物とする構造活性相関研究を展開し、環状ペンタペプチド骨格からなるCXCR7受容体選択的リガンドFC313を見出しました。本研究で得られたFC313は、CXCR7受容体の生理的役割の解明につながる有用な選択的リガンドとして利用されることが期待されます。
J. Med. Chem. 58(13) 5218−5225. (2015)

Structure-activity relationship study on senktide for development of novel potent neurokinin-3 receptor selective agonists.

NK3受容体は、ゴナドトロピン放出ホルモンの分泌調節に関与することが示唆されている神経ペプチド受容体です。我々は、NK3受容体選択的アゴニストであるsenktideの構造活性相関研究を実施し、N末端領域の最適化により生物活性が向上することを見出しました。また、得られた高活性誘導体6c-6eのプロテアーゼ抵抗性を評価し、N末端にD-アミノ酸を導入することにより安定性が向上することを明らかにしました。
MedChemCommun. 6(3) 469-476. (2015)

Synthesis of IB-01212 by multiple N-methylations of peptide bonds.

魅力的な生物活性を示すペプチドには、しばしば複数のN-メチルアミノ酸が含まれています。このようなN-メチルアミノ酸を含むペプチドの化学合成では、ペプチド鎖を伸長するための縮合反応が進行しにくいという問題があります。我々は、この課題を解決することを目的として検討を行い、N-メチル基を含むペプチド結合を一挙に構築する合成プロセスを確立するとともに、本法を用いて抗腫瘍活性を示すIB-01212を合成しました。
Bioorg. Med. Chem. 22 (21) 6156-6162. (2014)

Development of novel neurokinin 3 receptor (NK3R) selective agonists with resistance to proteolytic degradation.

NK3受容体は、哺乳動物の卵胞発育に重要なゴナドトロピン放出ホルモンのパルス状分泌の調節に関与する神経ペプチド受容体です。我々は、NK3受容体選択的アゴニストの生体内安定性の評価を実施し、その分解特性を明らかにしました。また、各ペプチドの分解特性に基づき、senktideの分解部位であるGly-Leu間のペプチド結合を修飾した誘導体を設計・合成しました。その結果、(E)-アルケン型ジペプチド等価体を導入した誘導体10aがsenktideと同等の活性を維持しつつ高い生体安定性を有しており、senktideよりも持続的に作用することを明らかにしました。
J. Med. Chem. 57 (20) 8646-8651. (2014)

Design and synthesis of fluorescent probes for GPR54.

キスペプチンは、視床下部-下垂体-性腺軸においてゴナドトロピンの分泌制御に関与する神経ペプチドです。我々は、キスペプチンの受容体であるGPR54の生体内での局在を明らかにするために、2種類の蛍光プローブを設計・合成しました。これらの蛍光プローブは、GPR54に対し強力な結合活性を示し、GPR54の特異的な検出に有効であることを明らかにしました。
Bioorg. Med. Chem.22(13) 3325-3330. (2014)

Synthesis and functional analysis of deferriferrichrysin derivatives: Application to colorimetric pH indicators

デフェリフェリクリシンは麹菌から産生される鉄キレート性環状ヘキサペプチドであり、3つの連続するアミノ酸側鎖にヒドロキサム酸を有しています。我々は、ヒドロキサム酸含有アミノ酸を1残基おきに配置した対称形誘導体の機能評価を行い、デフェリフェリクリシンの高い鉄イオン親和性が3残基連続したヒドロキサム酸含有アミノ酸配列に基づくことを明らかにしました。また、対称形誘導体の鉄イオン錯体は、溶液のpHに応じて吸収スペクトルが変化することから、pH指示薬として利用できることを見出しました。
Bioorg. Med. Chem. 21(14) 4296-4300. (2013)

Characterization of the receptor binding residues of kisspeptins by positional scanning using peptide photoaffinity probes

キスペプチン類は、視床下部-下垂体-性腺軸においてゴナドトロピン放出ホルモンの分泌を調節する神経ペプチドです。本研究では、キスペプチン類とその受容体であるGPR54に対する相互作用に関する知見を得るため、2種類の内因性キスペプチン(Kp-54及びKp-14)をもとに光アフィニティープローブを設計・合成し、GPR54の光標識実験を行いました。その結果、キスペプチン類とGPR54との二次的相互作用に寄与するアミノ酸残基に関する有用な知見を得ました。
Bioorg. Med. Chem. Lett. 23(9) 2628-2631. (2013)

Structure-activity Relationship Study of Tachykinin Peptides for the Development of Novel Neurokinin-3 Receptor Selective Agonists

近年、NK3受容体を介するニューロキニンB(NKB)のシグナル伝達が性腺刺激ホルモン放出ホルモンのパルス状分泌を調節することが報告されました。しかしながら、NKBは他のタキキニン受容体であるNK1受容体及びNK2受容体に対する受容体選択性が低いため、NK3受容体に選択的なリガンドの開発が求められています。我々は、さまざまな動物種由来の各種タキキニン類の構造活性相関研究を展開し、NK3受容体に対する生物活性及び受容体選択性の発現に重要な構造的要素を明らかにしました。
Bioorg. Med. Chem. 21(8) 2413–2417. (2013)

Structure–activity relationship study of pyrimido[1,2-c][1,3]benzothiazin-6-imine derivatives for potent anti-HIV agents.


PD 404182は、HIVやHCVに対して抗ウイルス作用を示すことが知られています。今回我々は、PD 404182の9位に様々な置換ベンゼンや複素環を導入した各種誘導体による構造最適化研究を行いました。このうちメトキシフェニル基やベンゾジオキソラン環2を有する誘導体がPD 404182の約3倍の活性を示し、疎水性のビアリール構造が標的物質に対して効果的に作用する可能性が示唆されました。
Bioorg. Med. Chem.20(21) 6434-6441. (2012)

Paradoxical downregulation of CXC chemokine receptor 4 induced by polyphemusin II-derived antagonists.

ケモカイン受容体CXCR4は、腫瘍の転移やHIV感染に関与する受容体です。CXCR4アンタゴニストはこれらの疾患の治療薬として有効であることが知られていますが、その薬理活性を発現するためのメカニズムは詳しく明らかにされていません。我々は、カブトガニの生体防御ペプチド・ポリフェムシンII由来のCXCR4アンタゴニスト T140について、細胞膜上のCXCR4を特異的に蛍光標識する手法を利用して、T140作用後の受容体の動態を観察しました。その結果、T140の作用によってCXCR4-リガンド複合体が細胞内へ内在化している様子が観察されました。すなわち、CXCR4アンタゴニストの薬理活性の発現には、CXCR4の内在化が寄与している可能性が示唆されました。
Bioconjug. Chem. in press.

Structure-activity relationship study of a CXC chemokine receptor type 4 (CXCR4) antagonist FC131 using a series of alkene dipeptide isosteres.

我々は、強力な抗HIV活性を示す環状ペンタペプチドFC131を見出しています。本研究では、FC131の生物活性に寄与する部分構造に4種類の特徴的なペプチド結合等価体を導入した誘導体を合成し構造活性相関研究を行いました。各誘導体の生物活性評価と構造解析を通して構造活性相関を合理的に説明可能な受容体との結合様式を明らかにするとともに、環状ペプチド構造を持つCXCR4拮抗剤の中で最も高い活性を示すFC122が、FC131とは異なる結合様式で受容体と結合することを明らかにしました。
J. Med. Chem.55(6) 2746-2757. (2012)

Development and application of fluorescent SDF-1 derivatives.

ケモカイン受容体CXCR4は、HIVの感染や悪性腫瘍の転移に関与する受容体の1つです。本研究では、CXCR4の細胞内局在等の検出に利用可能な内因性アゴニストSDF-1の蛍光標識プローブの創製に取り組みました。まず、SDF-1のペプチド鎖の構築を固相合成法により行った後、click chemistryにより残基特異的に蛍光標識を行うことで、各種誘導体を調製しました。得られた蛍光標識SDF-1の生物活性を評価したところ、非標識SDF-1と同程度の受容体結合活性、アゴニスト活性、および、受容体内在化活性を示し、CXCR4受容体プローブとして利用可能であることを明らかにしました。
Future Med. Chem. 4(7) 837-844. (2012)

Synthesis and application of an Nδ-acetyl-Nδ-hydroxyornithine analog: identification of novel metal complexes of deferriferrichrysin.

デフェリフェリクリシンは麹菌から産生される鉄キレート性環状ヘキサペプチドであり、3つの連続するアミノ酸側鎖に特徴的なヒドロキサム酸構造を有しています。今回我々は、Fmoc固相合成法に応用可能な保護アミノ酸の合成法を確立し、このアミノ酸誘導体を用いることでデフェリフェリクリシン及びその誘導体を合成しました。さらに、化学合成したデフェリフェリクリシンを利用してキレート錯体の探索を行ったところ、ジルコニウム及びチタンと配位した2種類の新規金属キレート錯体を同定しました。
Bioorg. Med. Chem. 20(8) 2651-2655. (2012)

Potent CXCR4 antagonists containing amidine-type peptide bond isosteres.

ケモカイン受容体CXCR4は、HIV-1感染や腫瘍の転移などに関係しているGタンパク質共役型受容体です。今回我々は、これまでに報告されたCXCR4拮抗剤が複数の塩基性官能基を多く含むという 知見に着目し、CXCR4拮抗剤FC131 にアミジン型ペプチド結合等価体を導入した類縁体をデザインしました。このうちのほとんどの誘導体がFC131よりも強力なCXCR4結合阻害活性を示し、特に ナフチルアラニンとグリシン間のペプチド結合を置換した誘導体が最も強力な拮抗活性を示すことを見出しました。
ACS Med. Chem. Lett. 2(6) 477-480. (2011)

Design and synthesis of amidine-type peptide bond isostere: Application of nitrile oxide derivatives as active ester equivalents to peptide and peptidomimetics synthesis.

アミジン型ペプチド結合等価体はペプチド結合のカルボニル基をイミノ基で置換した構造的相同性の高いイソスターです。今回我々は、固相上で合成したペプチドアルドキシム1より系中 生成可能なニトリルオキシド2を利用し、ペプチドのアミノ基との反応によって得られたアミドキシム3を鍵中間体として、目的とするアミジン型イソスター4を簡便に合成できることを見出しました。 本合成法を用いて、強力なインテグリンアンタゴニストとして知られる環状RGDペプチドのアミジン含有誘導体6を合成しました。さらに、鍵中間体であるアミドキシムを加水分解し、RGDペプチド7を得ることにも成功しました。
Org. Biomol. Chem. 9(9) 3421-3427. (2011)

Activation of neuropeptide FF receptors by kisspeptin receptor ligands.

Kisspeptinは、視床下部-下垂体系において性ホルモンの分泌調節に関与するペプチドホルモンです。Kisspeptinの受容体はGPCRの一種であるGPR54であると報告され ており、前立腺癌等の治療薬としてGPR54リガンドの創製研究が広く行われています。我々は、鎖長の異なるkisspeptin類について各種神経ペプチド受容体への生物活性を評価し、kisspeptin-10が neuropeptide FF受容体(NPFFR1・NPFFR2)に対しアゴニスト活性を示すことを見出しました。
ACS Med. Chem. Lett.2(1) 53-57. (2011)

Synthesis and Biological Evaluation of Selective CXCR4 Antagonists Containing Alkene Dipeptide Isosteres.

当研究室では、カブトガニの自己防御ペプチドpolyphemusin IIの構造活性相関研究を通して、ケモカイン受容体CXCR4選択的アンタゴニストであるFC131を見出しています。本研究 では、FC131を構成するArg-Arg、Arg-Nal部位にアルケン型およびフルオロアルケン型イソスターを導入したFC131誘導体を合成し、活性を評価することで、これらの部位のペプチド結合のCXCR4ア ンタゴニスト活性における寄与を検証しました。[PubMed]
Org. Biomol. Chem. 8(3) 616-621 (2010)

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