TOP>融合研究コース 平成17年度 研究報告
 

(-)-Kopsijasmineの効率的不斉全合成

薬品合成化学分野  坂井 健男

研 究 指 導 主 任 : 薬品合成化学分野 教授 富岡   清

研究指導協力者 : 生体機能解析学分野 教授 金子 周司

研究内容

 当研究室では生物情報活性アミン類を指向する立体選択的不斉合成方法論の開拓を行っている。これら方法論の開発は、将来バイオインフォマティクスから候補としてあがってくるであろう押す役ターゲットを迅速に合成する上で非常に意義深い。
申請者はこれまで、リチウムアミドの不斉共役付加によるβアミノ酸類の不斉合成法の開発に携わってきた(Scheme1)。本研究では、これらの不斉合成法の手法をKopsane alkaloidsの合成研究へと適用拡大してゆく予定である。

Scheme 1 . Asymmetric Conjugate Addtion to Various Enoate

 Kopsane alkaloidsは主に Kopsia 属(キョウチクトウ科)の植物が産出するインドールアルカイドで
その一部は関節リューマチ、浮腫、扁桃腺炎などの薬として用いられている。
本研究では(-)-Kopsijasmineの効率的不斉全合成を目指す。

Scheme 2 . Retrosynthesis of (-)-Kopsijasmine

 逆合成解析を示した(Scheme 2)。1はアルドールとマンニッヒ反応により2より誘導できると期待した。2は、3を環化させることにより作ることができると期待した。また、3は4を環化させることにより作ることができると期待している。4の合成は当研究で開発しているリチウムアミドの連続不斉共役付加-アルキル化反応により、2不斉点を一挙に構築できるものと期待している。これらの合成を達成した後、種々のインドールアルカロイドのライブラリ構築なども可能になると期待している。

 
 
 
 
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