システムバイオロジー分野では,大学院修士課程(2年)を修得し、将来、神経科学、分子神経薬理学、時間薬理・医学、分子生物学の各分野で、研究者を目指す人材を募集しています。
システムバイオロジー分野は哺乳類の時計機構の分子レベルでの解明を目指します。当教室の研究分野は、分子生物学、遺伝学、細胞生物学、蛋白質科学、神経科学、時間薬理学、睡眠科学、行動科学など、他の研究分野では類を見ないほど、広範な広がりを持ちます。これは、「生体リズム」という研究分野がきわめて学際的であるためです。具体的に申しますと、中枢神経系、ゲノム、遺伝子、細胞、全身機能、疾病(発癌、メタボリック症候群など)などを扱っています。現在、我々の教室は、主とする科学研究費特別推進研究「分子時計による体内リズムの統合機構の解明(平成18-22年度:代表岡村均)」のみならず種々の民間の研究費の援助を受け、生体リズムの分子機構の解明に全力を上げています。従って、この教室で学べば、生体リズムや神経科学はもちろんのこと、ライフサイエンスの方法論や非常に広く応用できる考え方が身につきます。
このようなことが、薬学の研究に役に立つのでしょうか。私は、大いに役に立つと断言できます。というのは、20世紀末の分子生物学とゲノム情報科学の進展は、従来の医学・薬学・生物学系の諸領域をほぼ完全に統合してしまい、真に「ライフサイエンス」と呼ばれるにふさわしい学問体系になってしまったからです。創薬を主とする薬学の必要性はいささかも揺るぎませんが、我々の目指すのは従来の枠組みで捉えられない、新しい方法論に基づく薬学の時代が来たのです。システムバイオロジーの研究室は、体の多くの「システム」を統括する神経系を中心として、この要望に答えるために全力をあげています。岡村の教育研究に対する考え方は、別項に記しましたので、是非読んでください。
やる気のある方は、是非来て下さい。多分、我々のことを知らない方が多いと思うので、興味のある方がおられましたら、遠慮せずに、岡村(研究室:薬学部別館4階 メール:okamurah@pharm.kyoto-u.ac.jp)までご連絡下さい。学内、学外を問いません。