概要

はじめに・・・

 本邦は、前例のないスピードで少子高齢化が進んでおり、難治性とされるいくつかの疾患と、これらの治療に対応する医師の質的量的な不足が社会問題となっております。医療保険制度の維持を目的として、診療報酬改定、保険料負担増大などが実施され、それ相当の医療経済学的な効果があったとされていますが、少子高齢化に歯止めがかからない実情を勘案すると、さらなる改革が必要かも知れません。しかしながら、既に、医師への過重負担などが指摘されており、一部の地域では医療崩壊に近い状態を懸念する声も少なくなく、以上のことから、本邦では、病院を中心とした医療から、在宅医療、セルフメディケーションへ移行することが確実な状況下にあります。
 本邦における地域医療の実情を考えると、より有効で安全な画期的新薬を開発することともに、一方で、在宅医療、セルフメディケーションを推進するために、医療サービス産業を充実させることが重要と思われます。すべての国民が、いつでも、安心で、安全な医療を受けることができる社会を作りたいという願いを込めて、これを「ユビキタス健康社会」と名付け、人材育成プログラムを計画いたしました。本プログラムでは、新規医薬品の迅速な開発、既存医薬品の適正使用に不可欠な実践型人材の育成とともに、医療サービス関連分野における新規産業のイノベーションを牽引できる人材の育成を目的としました。
 
 

事業目的・方針・養成する人材像等

本邦における医薬品産業については、国際競争力の低さ、具体的には新薬開発に時間がかかり過ぎること、を指摘する声が少なからずあり、迅速な新薬開発を支援できる治験コーディネーターの育成が火急の課題となっています。一方、既存医薬品については、膨大化する医療費の抑制の為の様々な施策が通知されており、これらを的確に実行し、適正で効率的な利用を実践して地域医療や福祉に貢献できる人材等の育成が必要となっています。そこで、
 

  • 新規医薬品の迅速な開発を支援できる治験コーディネーター
     
  • 既存医薬品の適正使用を介して地域医療や福祉に貢献できる実践型人材
     
  • 医療サービス関連分野における新規産業のイノベーションを牽引できる人材
     

の育成を目的として本事業を計画しました。
 なお、本事業で構築した教育プログラムの対象としては、将来、医薬品開発と生産への参画を目指す学生、地域医療や福祉への参画を目指す学生、医療サービス関連分野における従事を希望する学生などを考えました。