当研究室の論文がProtein Sci.誌に掲載され、掲載号の表紙になりました。

タイトル「The crystal structure of the CmABCB1 G132V mutant, which favors the outward-facing state, reveals the mechanism of the pivotal joint between TM1 and TM3」

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ABCB1は異物を体外に排出する一方で、薬をも排出する輸送体です。ABCB1は薬を取り込む内向型と排出する外向型の二状態を行き来する、ダイナミックな構造変化をすることが知られています。当研究室では既に内向型、外向型の詳細な立体構造を解明しています。

本研究では、膜貫通ヘリックス(TM)1とTM3の間で保存されているGly残基をValに変えたG132V変異体の立体構造を解明しました。得られた外向型の構造はこれまでの構造よりも細胞外側に向けてTM1、TM3、TM6が開いた構造でした。すなわち、野生型では側鎖の小さいアミノ酸残基であることにより、ABCB1の内向型・外向型の二状態間の構造変化をサポートしていると明らかになりました。