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京都大学大学院薬学研究科医薬創成情報科学講座システムバイオロジー分野
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Ride the Rhythm !  -Molecular Clock とは?-
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光って時を刻む時計細胞。 
Cryogenic CCDカメラによる視交叉上核のPer1-lucスライスカルチャー像の撮影(2000年)
プロジェクト研究
研究の目標

時は如何にして生成され調律されるのか?我々は、哺乳類生体リズムにおける時の生成と調律の仕組みを、細胞内、細胞間、個体と多層レベルで解明する。この多層分子ネットワークシステムの作動原理の解明を通じて、時を調律する手法としての薬剤を開発する。

どんな研究をするのか
我々が用いるのは、哺乳類の約24時間周期でおこるサーカディアンシステムcircadian systemである。ここでは時は、時計遺伝子、時計細胞、体内時計(視交叉上核suprachiasmatic nucleus:SCN)、全身の細胞時計、というように多段階で伝達される。以下の実験課題を行う。
1)
時計細胞内での時の発振
1.1 時計の部品を全て検出する
時計の部品はほぼそろった現在、その部品を並べ、そのため、時の発生に関与する分子を同定し、その仕組みを明らかにする。このため、体内時計そのものである視交叉上核を用い、そこに発現する全遺伝子をin situ hybridizationにて同定する。SCNに発現する分子を同定した後、全遺伝子のノックアウトマウスを作成し、行動解析を行う。
1.2 時計蛋白に結合する蛋白質を全て検出し、転写機構を解明する
時計遺伝子の生成産物である時計蛋白は全て転写因子および転写修飾因子であるが、これがどのようにして、転写を制御しているのかは、現在はまだ仮想の域を出ない。この解明には、時計蛋白が形成する蛋白複合体に秘密が有ると考えられる。我々は、時計蛋白の中心となるPER結合蛋白質を同定し、PER複合体の全貌を明らかにする。
1.3 細胞の基本的機能と時計遺伝子
何のために、全ての細胞が時を刻むのであろうか?この理由を、エネルギー代謝、細胞周期、細胞死など、基本的な細胞機能に時計遺伝子がどのように関わるのかを検索する。
2)
体内時計における時計細胞同士の時の調律
2.1 視交叉上核の部位特異的ノックダウン
視交叉上核は一様でなく、多種類の細胞の集合体である。SCNの特徴は、その細胞が場所によりサブグループを形成することである。そこで、SCNのregion-specificノックダウンを行い、リズム発現に及ぼす影響を検索する。
2.3 視交叉上核のリズム伝達の数理的理論化
時計細胞は位置依存的時間伝達を行う。これを理論化する。
3)
全身の細胞の時の調律
3.1 SCN-副腎系:神経インパルスからホルモンへの時間の変換機構
視交叉上核から時が出力される主なものとして、中枢及び末梢の交感および副交感神経がある。交感神経は副腎に時のシグナルを伝達し、ここで内分泌シグナルに変換されるが、この分子機構を解明する。
3.2 ステロイドは細胞時計の調整剤である
糖質コルチコイドは時の伝達物質である。それが、どのような機構で末梢細胞の時計を調律するのかの分子機構を解明する。
3.3 視交叉上核以外の時計はあるのか
制限食事などでは、視交叉上核以外の部位が時を生じることが明らかになっている。この分子機構を明らかにし、この後天的な条件下のリズムの本体を解明する。
  視交叉上核のVIP細胞(1983年撮影)。
VIP細胞は、視交叉の直上で集塊を
形成する。
1)、2)、3)の研究を通し、リズムの作動機構を分子レベルで、システム記述し、創薬につなげる。
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