病態の特性に基づく機能性画像診断薬および放射性治療薬の創製

臨床画像診断は抗生物質の利用などとともに現代医学を変えたもののひとつと言われています。この画像診断には種々の手法が用いられていますが、放射線(γ線)の高い物質透過性を利用して、放射性化合物を体内に投与し、そこから放出される放射線を検出して画像とする核医学はそのひとつで、臓器や組織の機能診断に優れた方法として用いられています。核医学画像診断に用いられる放射性化合物は放射性医薬品と呼ばれ、これには疾患を特異的に高感度で精度高く診断できる性質を有することが求められています。

そこで、脳や心筋の疾患、腫瘍等に特異的な微小組織環境の変化や発現タンパク質を標的とした、病態の特性に基づく機能性放射性医薬品の創製とその臨床利用に関する研究を行っています。これは分子イメージング研究の成果を臨床診断へ展開する研究です。その例として、薬物療法や放射線治療に対する抵抗性を示す腫瘍の低酸素領域をイメージングできる分子プローブの開発研究も行っています(がんの病態分析から治療に向けて)。また、放射線(β線)の細胞障害性を利用して、診断薬の開発で得られた化合物の部位特異的集積性に関する研究成果に基づいて、細胞障害性の高い放射性核種を構成元素として含有する、腫瘍の内用放射線治療薬(内部照射薬)の開発も進めています。これは放射線を利用した診断(diagnosis)と治療(therapeutics)を融合したRadiotheranosticsという新たな概念を切り拓く研究としても注目されています(がんの病態分析から治療に向けて)。

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