文部科学省「ウィズコロナ時代の新たな医療に対応できる医療人材養成事業(令和3年度補正)」

京都大学薬学部は文部科学省が実施する「ウィズコロナ時代の新たな医療に対応できる医療人材養成事業(令和3年度補正) メニュー2A薬:実習等に資するシミュレータ等のDX設備整備」に選定されました。

薬学部では、これまで対面での患者応対を基盤とした参加体験型実習に取り組んできましたが、コロナ禍において患者との接触が制限され、実習中に体験する症例数の減少とリアリティのある患者応対の機会の確保が課題となっていました。これらの課題を克服すると共に、今後普及が見込まれるオンライン服薬指導に適応するため、患者と非接触環境下におけるコミュニケーション能力を醸成するための環境整備が必要であると考えました。そこで、本事業において、病院実務実習中におけるオンライン服薬指導の実践とコロナ禍でリアリティある患者応対の機会の確保および実務実習前後での体験症例数の増加を通して、学生の医療コミュニケーション能力を醸成することを目的とし、多職種連携ハイブリッドシミュレータ「SCENARIO」の導入とテレプレゼンスシステム「窓」を導入しました。実務実習に行く前に行う医療実務事前学習や実務実習後および病院実務実習において活用しています。

 

多職種連携ハイブリッドシミュレータ「SCENARIO」

【4年次:医療実務事前学習、6年次:実習後シミュレータ実習】
医療実務事前学習「フィジカルアセスメント実習」においてシミュレータ「SCENARIO」を用いて呼吸音を聴取する実習を実施。

実務実習後にもシミュレータを用いた実習を実施。

 

テレプレゼンスシステム「窓」

京都大学医学部附属病院薬剤部と協力し、テレプレゼンスシステム「窓」を用いた遠隔吸入指導システムを構築した。コロナ禍においても画面越しでマスクを外しての吸入指導が可能となり、実務実習生も本システムを用いた吸入指導を見学・体験している。