薬学国際研究交流 part1

Creating a TALE protein binding non 5′-T sequence

薬学研究科 生体機能設計化学研究領域

博士後期課程 1年 辻 将吾

 

ie-2015-part16月の下旬、フロリダ半島の東沖から南東に約800kmに位置するバハマ国ナッソー島で開催された学会に参加した。本学会は遺伝子改変技術に関する最先端の情報を研究者間で共有するため、2年に一度開催される。トロントでの乗り継ぎを含め34時間の長旅を経てバハマ国に到着後、直ちに学会の会場となるメリアナッソービーチホテルを訪れた。その夜のオープニングセレモニーでは学会参加者全員での食事会に参加した。学会の参加者は約150名で日本人も10名程見受けられた。

2日目から口頭発表のセッションが始まった。発表された内容は、近年遺伝子改変への応用が進められているTALEN、CRISPRに関するものが大半を占めた。両タンパク質の機能解析から始まり、モデル生物遺伝子改変への応用まで、当該分野の最新の研究結果が報告されていた。それ以外にも遺伝子改変技術全般に関して、現在の研究の流れや、どういう研究が必要とされているかを知ることができたと感じる。

私自身は、3日目のポスターセッションにて発表を行った。発表の内容は主に修士課程在籍時に取り組んだ、分子進化法を利用したTALEタンパク質の機能改変に関するものである。ありがたいことに多くの方々が私のポスターを見に訪れてくれ、2時間のセッション時間中ほとんど暇な時間はなかった。数多くの議論、情報交換を行ったが、中でも特に 有益だったのはUniversity of Massachusetts Medical SchoolのScot Wolfe先生と話ができたことである。彼は、私が現在研究を進める上で利用している特殊なスクリーニング手法を開発した人物である。細かな実験条件や、彼にしかわからないであろう経験則的な事柄など、今後研究を進める上で大いに参考になる話を聞くことができた。

学会の合間には学会参加者の方々と共に、シュノーケリングに興じた。澄んだ水質と美しい魚の数々が相まって、バハマの海はすばらしいものであった。また世界的な研究者の方々と何気ない会話を通じて親しくなることができた。私は今回が人生で初めての海外ということもあり、英語でいろいろな人々とコミュニケーションをとること自体が何よりも刺激的であった。最後になりますが、薬学研究科国際研究交流事業により、このような貴重な経験を積むことができましたことに心よりお礼申し上げます。