薬学国際研究交流 part10

病変組織における免疫担当細胞の機能変化解析

薬学研究科 生体機能解析学分野

博士課程 1回生 三宅 崇仁

 

ie-2015-part10

研究棟

この度は、国際研究交流大学院生支援事業によりアメリカ・カリフォルニア州のUniversity of California, Berkeleyに短期留学させていただきました。私がお世話になったDepartment of Molecular & Cell Biologyは5つの系統から構成され、その中で今回私が訪問したImmunology and Pathogenesisでは免疫シグナリングについての研究などを行っています。私はこれまでミクログリアと呼ばれる脳内に存在する免疫細胞の研究を行ってきました。今回の留学では、そのミクログリアを用いて、免疫シグナリングをどのように解析するのかについてご教授いただきました。私が現在日本で所属する研究室ではまだ行っていない研究手法でしたので、その実験の手技や、どのように研究プロセスを考案するかなど、新しい知識を得る貴重な機会となりました。研究室の先生には、実験のことをはじめ、カリフォルニアでの暮らし等についても本当にお世話になりました。

今回訪問したUniversity of California, Berkeleyは数多くあるUniversity of California群の発祥の地であり、歴史ある建物の多い大学として知られています。また、医学系だけではなく、情報系や化学系の分野においても優れた成績を残したことで知られる大学です。現在でもその権威は衰えること無く、私が今回訪問したMolecular & Cell Biologyの建物内にも、私が読んだことのある大変重要な知見を示す論文を出した研究室が3つもありました。私の研究範囲というものは、医学全体で見るととても小さなもので、その主な研究の流れを作っている主要な研究室は世界で20研究室程です。ですので、そのうちの3つが同じ研究所に存在することは極めて珍しいことです。また、University of California, Berkeleyでは無いのですが、University of California, San Franciscoは、私が現在研究対象としているTRPチャネルと呼ばれるタンパク質の世界最初の発見を行ったDavid Julius先生の研究室のある大学であり、University of California, Berkeleyにも、現在TRPチャネルと痒みについての研究で世界をリードしているDiana Bautista先生の研究室もございます。今回の訪問では、Bautista先生の研究室にも訪問させていただける機会を作っていただき、今後の私にとって貴重な人脈を築くことができたと思っています。University of California, Berkeleyは非常に木々が多く植わっており、森の中で研究しているかのような錯覚にとらわれます。またそこには数多くのリスが生息しており、昼食時などに外出すると、リスのエサを探す姿を見ることが出来、癒しを与えてくれます。また、校風は自由を重んじるものであり、過去には学生運動も盛んな大学であったと伺い、京都大学とどこか似たような雰囲気を持つ大学です。

今回の研究室での活動、Berkeleyでの出会いを人生経験として、これからの研究生活に生かしていきたいと思います。改めまして今回は、このような機会を与えて下さいました全ての方に御礼申し上げます。本当にありがとうございました。