国民皆保険制度の下における高額医薬品の使用と財源問題を考える
分子標的薬などの新たな医薬品が臨床で使用されるようになり、製薬企業はさらなる画期的新薬の開発に邁進している。政府もまた、成長産業として、iPS細胞などの再生医療の発展に期待し、医薬品産業の発展策を講じている。新薬の開発は技術進歩、健康な労働力の確保、資本投資の増加などの経路で経済成長にプラスの影響を与えると同時に、医療の進歩によって、人類の夢である「不老長寿」実現に近づくことができると考えられる。したがって、これらの新薬開発を促進することは、重要な国策となっている。
しかしながら再生医療や分子標的薬などの医薬品は高額であり、最近では、一部で高額な抗がん剤の医療財政への影響の大きさに対して懸念が持たれている。これら高額医薬品の経済・財政への影響について詳細な議論が必要とされているのと同時に、薬価改定などに関して、あるべき制度の形も問われている。また、日本の医療保険は社会保険方式と税方式のミックスで運営されていることから、医療保険財政を議論するうえで税制の議論を避けて通ることはできない。
こうした状況を考え、平成27年度のシンポジウムでの議論を踏まえて、平成28年度の重点研究課題を主な論点としたシンポジウムを開催する。
◆日時: 2017年2月10日(金)14:00〜18:00
◆場所: 丸ビルホール(千代田区丸の内2−4−1丸ビル7階)
◆プログラム
14:00~ 開会挨拶
伍藤 忠春(日本製薬工業協会理事長)
14:05~ 第1部:講演
基調講演 「オプジーボ問題を医療経済学で考える」
柿原 浩明(京都大学大学院薬学研究科 教授)
講演① 「がん免疫治療の光と影」
大江 裕一郎(国立がん研究センター中央病院 副院長・呼吸器内科長)
発言 竹内 譲(前厚生労働副大臣 衆議院総務委員長)
発言 鈴木 邦彦(日本医師会 常任理事)
<休憩>
15:30~
講演② 「かかりつけ医からみた高額医薬品 」
近藤 太郎(東京都医師会 副会長)
講演③ 「医療保険は高額医薬品を負担できるか」
岩本 康志(東京大学大学院経済学研究科 教授)
講演④ 「薬価制度の抜本改革について」
加茂谷 佳明(日本製薬工業協会 産業政策委員会 幹事)
発言 古川 俊治(参議院議員・TMI総合法律事務所・慶應義塾大学教授)
<休憩>
16:55~ 第2部 パネルディスカッション
座長 医療経済研究機構所長 西村周三
パネリスト 大江裕一郎、近藤太郎、岩本康志、加茂谷佳明、柿原浩明
◆後援
厚生労働省、日本製薬工業協会、日本医師会、東京都医師会、医療経済フォーラム・ジャパン
◆参加申し込み方法
①お名前、②ご所属、③ご連絡先(Eメールもしくは電話番号)を明記の上、
事務局までEメールでお申込みください。
事務局 Eメール: iyaku@pharm.kyoto-u.ac.jp
申込締切:2017年2月3日(金)
◆問合せ先:京都大学大学院薬学研究科医薬産業政策学講座事務局
TEL&FAX 075-753-9273