令和7年3月24日に修士論文発表会優秀発表賞の授与式が執り行われました。受賞者には賞状と副賞の図書カードが贈られました。以下に4名の受賞者のコメントを掲載します。
優秀発表賞受賞者のコメント
佐田 ひかりさんのコメント
この度は、優秀発表賞にご選出頂き誠にありがとうございます。また、熱くご指導下さった先生方や支えてくれた竹本研のメンバーに心から感謝申し上げます。皆さんのお陰で、充実した3年間を過ごすことができました。本論文では、ペプチド鎖に普遍的に存在するアミド基のN-クロロ化反応に関して、位置選択性や反応機構の詳細な研究を行いました。機構解析を行う中で、得られた様々なデータを客観的に評価し、次の検討に繋げる過程が如何に重要であるかを痛感しました。地道な検討に挫けそうになったこともありましたが、諦めずに試行錯誤を積み重ねた結果、このような評価を頂けて大変嬉しく思っています。
まだまだ未熟なところも多くありますが、本研究での経験を糧に博士課程ではより一層研究に励む所存です。この度は本当にありがとうございました。
大鳥 祐矢さんのコメント
この度はこのような賞をいただき誠にありがとうございます。今回の受賞に至ったのは、ひとえに加藤先生、小川先生、山口先生をはじめとする研究室のみなさまのおかげです。この場を借りて深く感謝申し上げます。
今回の修士論文では巨大分子である2型リアノジン受容体(RyR2)についてクライオ電子顕微鏡(クライオ電顕)を用いた立体構造解析を行なった研究を発表しました。研究対象であるRyR2は自身に比べて数万倍小さな小分子によって作動するといった興味深い性質を持つ分子であったため、その作動メカニズムを明らかにしたいと思い研究を始めました。また、私は研究室でRyR2の研究を始める際の最初の学生であり、発現・精製系の立ち上げやクライオ電顕での撮影・解析のセットアップなど研究の初期段階から携わることができ、大変貴重な経験となりました。今後は博士後期課程で研究を継続し、RyR2の分子メカニズムをさらに解明するとともに、自立した研究者として成長できるよう日々研鑽を積んでまいりたいと思います。
藤田 悠人さんのコメント
この度は優秀発表賞を受賞することができ、大変光栄に存じます。今回受賞できたのは、システムバイオロジー分野の土居先生、三宅先生、長谷川先生をはじめ、多くの方々のご指導とご支援のおかげです。特に土居先生には、修論執筆や発表練習を通じて、研究内容を分かりやすく、かつ魅力的に伝える方法についてご指導いただき、今回の受賞につながったと考えております。また、先生方のみならず、学生を含むシステムバイオロジー分野全体の研究環境が、研究を進めるうえで大きな支えとなりました。この場をお借りして、心より感謝申し上げます。
本研究では、ヒトの朝型と関連する遺伝子に着目し、モデルマウスを開発することで、特定の遺伝子多型が朝型を引き起こす要因となることを明らかにしました。今後は博士後期課程に進学し、修士論文の成果をさらに発展させ、この遺伝子多型が朝型を引き起こすメカニズムの解明に取り組んでまいります。
この度は誠にありがとうございました。
小島 湧斗さんのコメント
この度、優秀発表賞を賜り大変光栄に存じます。発表に際しては、自身の研究内容を十分に伝えきれなかったのではないかと反省しておりました。しかし、今回の受賞を通じて、伝わった部分もあったのかと自信を得ることができました。日頃よりご指導くださいました平澤先生、ならびに研究室の皆様に心より感謝申し上げます。
本研究においては、脂肪酸受容体GPR120(FFAR4)に対する新規合成アゴニスト誘導体を解析し、より高い親和性と選択性を有する化合物を見出しました。さらに、新規化合物を用いた解析により、GPR120に対するリガンドの結合様式に関して新たな知見を提供することができました。
修士論文発表の場は、これまでの研究成果をまとめる貴重な機会であり、他分野の先生方から貴重なご意見を賜ることができました。今後は、これらの研究成果を論文としてまとめ、国際的に発表したいと考えております。