この度、京都大学薬学研究科の、加藤研究室に助教として就任することになりました、山口智子と申します。2017年から2022年にかけて大阪大学大学院生命機能研究科の難波啓一教授のもとでクライオ電子顕微鏡(cryoEM)よるタンパク質の立体構造解析手法を学び、バクテリアべん毛モーターのべん毛繊維と軸-軸受構造の研究を行いました。博士号を取得したのち、2022年から2023年にかけて東京工業大学地球生命研究所(ELSI)の藤島皓介先生の研究室にポスドクとして就任しつつ、チェコ共和国プラハのKlara Hlouchova先生の元に留学し、リボソームが元始の地球環境下でどのように進化したのかをribozymeの活性に焦点を当てて研究を行いました。今年度からは日本に帰国し、慣れ親しんだ関西にて新たに研究をスタートさせていただきます。
生命とモノの境界はどこなのか、生命現象を可能とするメカニズムとは何なのか、この問が私の研究の原動力であり、この問いを解明する一端を担いたいと考えています。専門は構造生物学ですが、ポスドク時代に生命起源研究や合成生物学の研究に従事した経験もあり、幅広い分野への興味と経験を本学における研究に還元したいと考えております。学生の皆さんや他分野の研究者と教え合い学び合い、切磋琢磨しながら刺激的な研究が出来ることを楽しみにしております。どうぞよろしくお願いします。