2024年4月1日より病態機能分析学分野の助教に着任いたしました中島一磨です。私は、2016年に京都大学薬学部に入学した後、学部4年次から病態機能分析学分野での研究活動を開始しました。同研究室で修士課程、博士後期課程へと進学し、2024年3月に早期修了が認められ、博士(薬科学)の学位を取得しました。
放射性同位元素を用いて疾患の診断と治療を融合するラジオセラノスティクスに興味を持ち、放射性薬剤の開発研究に取り組んできました。放射性薬剤の体内動態を高次に制御することを目標に、薬剤の分布・代謝・排泄の観点から、未開拓の分子設計戦略の創出に挑戦していきたいと考えております。また研究活動を通して、安全で効果的な放射性薬剤を医療現場に届けていくことを目指しております。
放射性薬剤の開発研究は、放射化学だけでなく、有機化学、生化学、薬物動態学、核医学など、非常に多くの分野が融合した研究領域です。京都大学の素晴らしい環境の中で、積極的に他分野の研究に触れ、創薬研究全体に対する見識を深めていきたいと考えております。精進してまいりますので、皆様ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
2024年4月付で生体機能解析学分野の教授に着任しました井上飛鳥(いのうえあすか)と申します。私は、2004年に東京大学薬学部を卒業し、東京大学薬学系研究科の修士課程を経て、博士課程在籍中の2008年に東北大学薬学研究科にて助手として採用されました。その後、東京大学にて博士(薬学)を取得し、東北大学で助教・准教授と職位を重ね、2020年から研究主宰者を務めています。2022年に東北大学薬学研究科の教授に就任し、現在の東北大学の研究室には約25名のメンバーが在籍しています。2024年度は京都大学と東北大学を併任(クロスアポイント)し、この期間に京都大学薬学研究科へ研究拠点を移動する予定です。
私の専門は、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)の細胞情報(シグナル)伝達です。GPCRは既存薬の3分の1の作用標的であり、現在も創薬開発の中心に位置付けられます。数百種類にも及ぶGPCRから生じる複雑なシグナル伝達がどのような原理により制御されるか、その統合理論の確立を目指しています。GPCRやシグナル因子に対する様々な解析ツールを開発・活用し、分子から個体(構造計算〜精製タンパク〜一分子観察〜培養細胞〜マウス)に至る階層を網羅しながら研究に取り組んでいます。これらの一連の研究は分子の視点からの薬理学の発展に資するものと考えます。
京都大学への着任を機に、薬学研究科や他部局の先生方、さらにはアカデミア・企業との連携を図り、創薬基盤研究の展開を目指します。私自身のコンフォートゾーンを超えて、新しい研究領域に飛び込んでいくことも目標としています。また、研究室の方針として学生教育を大事にしていますので、京都大学でも学生の皆さんと共に切磋琢磨していきたいです。
薬科学科65名、
令和6年3月25日に修士論文発表会優秀発表賞の授与式が執り行われました。受賞者には賞状と副賞の図書カードが贈られました。以下に4名の受賞者のコメントを掲載します。
優秀発表賞の受賞者のコメント
BYAMBA ADIYASURENさんのコメント
この度は修士論文発表会優秀発表賞を頂けたこと、とても光栄に思います。今回の発表を通して修士課程での研究をまとめる機会になっただけではなく他の分野の先生方との質疑を通して異なる視点を持つ貴重な機会となりました。
本発表での研究として、触媒開発をきっかけに今まで合成されていない多置換のジボロン酸の効率的な合成法の開発を達成しました。触媒としてだけではなく様々なユニークな骨格の構築を可能とすることからその特徴を充分に活用することが大きな課題でした。その際、多くの試行錯誤を経ることで研究の進め方、展開の仕方を少しでも学ぶことができたと思います。
また、修士課程から入学し様々な面で未熟な私を指導して下さった先生方、支えてくれた研究室のメンバーの皆様に心から感謝を申し上げます。発表賞を頂けたのは間違いなく皆様の応援があったからだと思っています。今後、博士課程でもこの2年間で学んだことを糧として、日々精進し、成長して行きたいと思います。
中川楓斗さんのコメント
この度は優秀発表賞に選出いただきありがとうございます。
村中友萌香さんのコメント
この度は優秀発表賞をいただき誠にありがとうございます。発表会直後は反省点ばかりが頭に浮かび、こうして賞を頂けるとは夢にも思っていませんでした。研究者としての道はまだまだこれからだと思っているので、この賞を励みに、今後もより一層精進していく所存です。今回の発表では、脂質フリッパーゼP4-ATPaseの新たな基質特異性とその活性が細胞内で果たす役割についてまとめさせていただきました。発表では特に「実験の経緯・原理」を明瞭にするよう心掛けました。これだけで発表がぐっと理解しやすくなることを、中山先生や申先生を始めとする先生方に教えていただきました。他にも、ここに書ききれない程の愛あるご指導のおかげで、私は今この場に立てていると強く感じています。また、こうして研究を一つの形にできたのは、どんな些細なことでも快くディスカッションして下さる申グループの皆さんのおかげでもあると思っています。本当にありがとうございました。
坂口俊平さんのコメント
この度、優秀発表賞を受賞できたこと大変ありがたく思います。修士論文執筆や発表準備はもちろんのこと、日々の研究活動で多大なサポートをしてくださった加藤先生、小川先生、山口先生にこの場を借りて感謝申し上げます。また、他の研究室のメンバーとの交流のおかげで楽しく充実した日々を過ごすことができました。ありがとうございます。
今回の修士論文執筆や発表会を経て学んだことは、研究内容と同じくらいその伝え方が重要だということです。発表では、他分野の方々でも一度聞いただけで内容を理解できるかどうかという点を強く意識しました。当初の練習会ではこうした点を疎かにして前提知識や先行研究の説明が不足していたため、聴衆の理解を得ることができませんでしたが、先行研究の現状を詳細に説明して自身の研究の新規性が伝わるよう発表内容を工夫することで改善を図ることができました。
今後は製薬企業で研究職として働きますが、研究室での学びを活かしながら新薬創出に向けて邁進していきたい所存です。
悪玉因子、活性酸素が記憶形成に必要であることを解明
―抗酸化物質の過剰摂取に警鐘―
詳細については下記URLをご覧下さい。
植物病害そうか病原因菌Streptomyces scabieiに対する抗菌物質の発見
―そうか病をターゲットとした新規農薬の開発に期待―
詳細については下記URLをご覧下さい。
点対称への変身が受容体によるホルモン認識の鍵!
―新規心不全治療薬へ向けた手がかりを提示―
詳細については下記URLをご覧下さい。
新入生と担任・相談教員、在校生との交流の場を設けます。
皆さんのお誘いあわせの上、お気軽にご参加ください。
(入学者用資料でもご案内しています。)
大学院・学部新入生歓迎会
【月日】4月5日(金)
【開始予定時刻】いずれも1時間程度を予定
①大学院新入生:15:00(入学式終了後)
②学部新入生:16:45(ガイダンス終了後)
【場所】医薬総合研究棟アウトリーチエリア
【参加費】無料
【共催】薬学研究科DEI推進委員会
高価な装置を必要としない細胞外小胞のキャッチ&リリース単離法の開発
―pH応答性電荷反転型曲率認識ペプチドの利用―
詳細については下記URLをご覧下さい。
職種 | 研究員 |
募集人員 | 1名 |
勤務場所 | 京都大学大学院薬学研究科 薬科学専攻 薬品分子化学分野 〒606-8501 京都市左京区吉田下阿達町46-29 |
職務内容 | AMED BINDS補助事業遂行の為に有機合成化学を基盤とした合成実験 |
資格等 | (1)博⼠の学位を有することが望ましい(修士の方は要相談)
(2)募集研究室にて展開しているBINDS補助事業研究に積極的に取り組む意欲のある⽅ |
雇用期間 | 着任予定時期:2024年4月1日以降、なるべく早い時期 |
任期 | 2024 年 4 ⽉ 1 ⽇ 〜 2025 年 3 ⽉ 31 ⽇まで(応相談)
雇⽤期間満了後、更新する場合あり (ただし、最⻑プロジェクト終了2027年3月末まで) |
試用期間 | あり(6ヶ月) |
勤務形態 | 下記の2パターンより要相談
① 京都⼤学特定研究員(常勤・年俸制) ・専⾨業務型裁量労働制:(週 38時間 45分相当、1⽇ 7時間 45分相当) ・休⽇:⼟、⽇曜⽇・祝⽇・年末年始・創⽴記念⽇ ・給与:本学⽀給基準に基づき⽀給します。 ・⼿当:なし(年俸額には諸⼿当相当分を含みます。) ・社会保険:⽂部科学省共済組合、厚⽣年⾦、雇⽤保険及び労災保険に加⼊
② 研究員、技術補佐員(時間雇用) ・週5日(1日6時間勤務 9時00分 〜 16時00分(休憩1時間)) ・休⽇:⼟⽇曜⽇・祝⽇・年末年始・創⽴記念⽇ ・給与:本学⽀給基準に基づき、経歴学位により決定 ・⼿当:本学支給基準に基づき、通勤手当、超過勤務手当を支給 その他の諸手当、賞与、退職手当は支給無 ※必要に応じて超過勤務を命じる場合があります。 ※週3日~でも希望相談により可能 |
応募方法 | 以下の応募書類を下記送付先に郵送もしくはメールにて提出のこと。
・メールの場合、件名に「BINDS補助事業 研究員応募」と記載してください。 ・郵送の場合は、封筒に「BINDS補助事業 研究員応募」と朱書きし、 応募書類⼀式を封⼊の上、下記宛先に「簡易書留」で送付のこと。
応募書類 (1)履歴書(連絡先・e-mail 等明記、写真貼付) (2)これまでの研究概要と研究履歴(研究業績を含む) |
応募締切 | 2024年 3月 15日(金)必着
(但し、適任者が決定次第、応募を締め切る場合があります。) |
送付先・問い合わせ先 | 〒606-8501 京都市左京区吉⽥下阿達町 46-29
京都⼤学⼤学院薬学研究科 薬科学専攻 薬品分子化学分野 BINDS補助事業 代表者 教授・竹本 佳司 E-mail: takemoto*pharm.kyoto-u.ac.jp (*を@に変えてください。) |
選考方法 | 書類審査の後、⾯接を実施することがあります。
(⾯接等の詳細は別途メールにて連絡予定) |
その他 |
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